第3章 掟
「お前ら無駄話も程々にしろ」
突然聞こえた声に振り返ると
「シュウ....!!」
彼は鋭い目付きで使用人達を睨む
いつもはだるそうな彼がとても深刻そうな顔をしていて私は驚いた
この様子から見て、彼も先程の話を聞いたのだろう
『も、申し訳ございません!シュウ様』
彼女達は彼の殺気に恐れ、深々と頭を下げる
「はぁ....」
ため息をつく彼と目が合う
私は思わず目をそらした
もし、私が本当に生け贄だとしたら....私は....
「来い」
「えっ!」
シュウは強い力で私の腕をひっぱる
「シュウ....ッ!!痛いよ!」
彼はいつもに増して苛立っており、乱暴に私をどこかに連れていく
「........チッ....」
どれだけ話しかけても彼は舌打ちをするだけで、何も言葉を交わさない
なんだか、自分の存在を否定されている気さえした