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Forbidden love

第3章 掟



「あれ....誰もいない」

私は目が覚めて、アヤト達を探しに家を歩き回っていた

しかし、今日は家には誰も居なかった

どこかへ行っているのだろうか?

まぁ、この家の人達は基本的自由だから仕方ないと思って長い廊下を歩く

すると....

『一体、誰がご当主になられるのでしょうか....』

ある1室から使用人達の話し声が聞こえる

私は少し気になって足を止める

『やはり、シュウ様じゃないかしら?御主人様もそれを望んでるとか....』

(シュウが当主かぁ....)

私がこの家にお世話になり始めて気付いた事がある
今、逆巻家は次期当主の問題でいっぱいだ

使用人やたまに来る来客までもがその話ばかりをもちかけている

皆カールハインツ様の魔力の弱まりに動揺しているのだろう

もう、彼等も立派な大人だ

あの6人の中の誰かがこの家を継ぐのだろう

私が聞いているとも知らず、使用人達は話を続ける

『でも、アヤト様だって適任でしょう?あのコーデリア様の血をひいているのだから』

『確かに奥様の力を受け継いでいるのだったら有力でしょうね。魔王の娘なのだから』

コーデリア....私はその名に胸が少し痛くなる

彼女とは私もよく会っていたけれど、あまり良い印象は無かった

彼女はアヤトを逆巻当主に育て上げたかったのだろう
いつも、アヤトは1人勉強をさせられていた

私はそんな彼が闇に囚われているようにみえた

でも、それは彼だけじゃない....ほんとは....みんな....


『でも、レナ様もお気の毒よね』


「!」


突然、自分の名前を出され私は驚いた

気の毒?私が....どうして....

『いくら、家の為だからって....』

心の準備もできないまま使用人は話を進める


『一人娘を"生け贄"に差し出すなんて....』


え....ッ....?

"生け贄"

その言葉に私は一瞬で硬直する

頭の中は気持ち悪いくらいにぐるぐると廻る

どうゆうこと....?....ちがう....私はそんなんじゃ....

レナの頭に御兄様とお父様の顔が浮かぶ

私は突然怖くなり、体を抱き締める

うそ....うそだよ....



「おい」


「!」


私は初めて知らされた事に動揺し、後ろに立つ人影に気づく事が出来なかった




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