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Forbidden love

第26章 分かち合い



ルキは突然起き上がり、口の中に広がる知らない血の味に、思わず喉を抑える

「ゴホッ!!ゴホッ...くっ...」


「やはり、これでも駄目なようですね」


ルキはなんだと思い顔を上げる

すると、そこには真剣な面持ちなレイジとアヤトが居て

そして、奥のソファーで寝転ぶシュウも見えた

「そんなに睨まないで下さい

全く...部屋で倒れていた貴方をアヤトが運んできたのですよ」

ルキは思い出したようにハッとする

「ったく、俺様のおかげで直ぐ見つかったんだ

感謝しろよな」

アヤトは血の匂いがして、異変に気づいたらしい

「...あぁ、すまない。手間をかけたな」

アヤトの言葉にルキは素直に礼を言い、立ち上がろうとする

しかし、ルキの頭には酷い頭痛が走り、動くことが出来ない

「まだ、安静にしてなさい

まぁ、寝ていて治るようなものでもありませんがね」

「......」

レイジは何でも分かっているような口ぶりで言葉を進める

「貴方...もう随分と血を飲んでいないでしょう」

「っ...」

レイジは一つの粉を見せる

「これは、人間の血と混ぜ合わせて作られた、いわばヴァンパイア用のサプリメントです

先程、貴方に投与しましたが...その様子では、もはや体が他の血を受け付けないようですね」

「っ!!」

レイジの言葉にアヤトは首を傾げる

「どうゆうことだよ」


「レナの血には、依存性の副作用がある

だから、レナの血を吸ったルキの体は、永遠にアイツの血だけしか飲めないってことだ

それに、血に対する飢えも今までの比じゃないはずだ」

大きな力には、それ相応の代償が付き纏う


「でもよ、それじゃあ、吸えばいいじゃねーか」

アヤトは不思議そうにルキを見る

彼は何か迷っているように押し黙っていた

「貴方は何も分かっていませんね」

「やっぱり、お前もまだまだガキだな」

「あぁ?」

2人には分かっていた何故、ルキが血を吸うことを躊躇うのか...

アヤトが文句を洩らす中、ルキは自分の手を強く握りしめた

そして、淡々と口から言葉が零れる




「...今のレナにとって...一番の脅威は...

この”俺”だーーーーー





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