第21章 反逆
「ふっ....まさか俺の計画がここまで見破られていようとはな」
デニスはモニュメントに飾られた剣を奪い、構える
続いてシュウとアヤトも剣をデニスへ向ける
「だが、狂った予定は自分で戻せばいい....
お前達では俺には勝てないぞ」
デニスは余裕そうに微笑む
「ふざけんじゃねーぞ
大体、俺はお前より歳上だっつーの!
敬語も使えねぇのかよ」
「まずは礼儀から教えてやるよ」
2人はデニスに剣を振りかざす
ーーーキンッ!!キンッ!!
剣独特の鋭い音が鳴り響く
「っ!!」
デニスの頬にアヤトの切先が当たる
「大人しく捕まれ!」
「ふっ、流石はカールハインツの息子だな
だが....」
デニスはアヤトの剣を抑え、背後を突く
「くっ!!」
剣はアヤトの横腹を掠める
「アヤト!」
デニスはシュウに向き変える
「次はお前だ」
「っ....大口を叩くだけの力はあるみたいだな
だが、ここでお前に負けるわけにはいかない」
シュウの目はいつもとは違い、何かを覚悟したように真剣だった
その様子をデニスは不思議に思う
「何故だ
逆巻は....カールハインツはあの男を止める力を持ちながらそれを放任している
奴の子息であるお前もまたそうではないのか?」
デニスの問いにシュウは鼻で笑う
「俺と親父を一緒にするな
それに、俺はその事が納得出来ないからこの場にいる
これ以上、お前達にもカールハインツにも好き勝手させるわけにはいかない」
「それは、カールハインツを殺り、逆巻の当主になるということか?」
シュウは横目でレナを見る
(ずっと、俺は逃げてた
でも、俺はエレナとお前の瞳が重なるたび、どこか自分が許せなくなった
ふっ....お前ら親子に俺はいつも狂わせられる)
シュウはデニスだけでなくどこかで盗み聞いているだろうカールハインツに向けて、口を開く
「あぁ、俺が逆巻を継ぐ
それが俺の”運命”だ」
「シュウ....」
レナは腕を強く握る
かつてシュウにいわれた言葉を思い出す
『抗ってみろよ、その運命から』
このままでは、きっと私は酷く暗い闇の中に取り込まれていく....
お母様のように....
一歩前で2人の戦いを見守るルキの姿を見る
でも、私はーーーーー