第20章 襲撃
「それは....どうゆうこと?」
デニスは心底愉快そうに月に手を掲げる
「聞きたいか?
まぁ、次期に分かることだが教えてやろう」
レナは息を呑む
デニスはその妖艶な口元の笑みを隠すことなく口を開く
『夜崎祥匙は死んだ』
「「!」」
彼の口から出た言葉は驚くべきものだった
「お父様が....死んだ?」
到底信じられる話でもなく、レナは唖然とする
「正確には俺があの悪魔を殺した」
「!」
「ふっ。お前ごときがあの男を殺せるわけがない」
ルキは呆れたように言葉を吐き捨てる
その様子を見てデニスは少し顔色を変える
「見苦しいな、無神ルキ
お前はその女を守ると言いながら、何も出来なかった腰抜けだろう
あの男を殺そうともせず、親の敵であるこの俺を捕らえることすら出来ていない」
「っ....」
鋭いデニスの瞳がルキの闇を見抜く
『お前では、俺を殺せない』
悪魔のような囁きが彼の胸に響く
ずっと、彼が抱えていた闇をデニスはこじ開ける
ーー俺は....逃げているのか....
レナを手に入れる事で全てを終わらせることが出来ると、どこか甘えていたのだろうか....
父上....俺はーーーー
『違う』
「!」
レナはデニスの言葉に反論する
「....ルキは貴方を殺せないんじゃない
ルキは優しい人....
貴方の事も1人の被害者だって思ってるから」
「レナ....」
昔の呼び方、温かくどこか力強い声
「デニス=ラルク
貴方は生かされていると思いなさい」
レナの真っ直ぐとした言葉にデニスが益々怒りを込み上げる
「くっ....はははっ!」
「!」
「滑稽だな!お前達はあの男に利用され、親も殺され、何もせず順応していたのだろう?
そんなお前達が私に反論するな!
だが、どのみちあの男は死んだ!
次はお前達の番だ!
夜崎も無神も、そしてあの逆巻さえも私には勝てない!」
デニスは怒りの目を宿し、眉間に皺を寄せる
だが....
『さぁ、それはどうだろうな』
『ぎゃーぎゃーうるせえんだよ』
「!」
デニスの背後から聞き覚えのある声と人影が現れる
「お前達は....ーーーー