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Forbidden love

第18章 表裏



俺はヴァンパイア界でも有名な貴族の家に産まれた

父親は一家の当主で誇れる存在で

母親は綺麗で品のある人だった

何不自由なく、当たり前のようにそこには幸せがあった

しかし、ある日母親は家から姿を消した

聞いた話では両親は元々許婚同士で望まない結婚を強いられたらしい

俺の心はひどく傷んだ

2人の間には愛なんて無かった

それはもちろん自分に対しても

母親は自分を捨て、自由になることを選んだ


しかし、母が居なくなった後も父は自分の事を何よりも優先してくれた
父から受けた愛情は本物だと信じている

俺の気持ちに整理がついた頃

家に1人の女性が訪れた

とても美しく、物腰の柔らかい彼女の目には涙が浮かんでいた

俺は不思議とその人に警戒心を抱かなかった

彼女は俺を見るなり、温かい笑みを浮かべて抱きしめた

ヴァンパイアの筈なのに体からは体温のような物が感じられて、俺の目頭は少し熱くなった
そうだ....この感覚は母親と同じ....

すると、父は俺の肩に手を乗せ

彼女の後ろに目を向ける


そこには、可愛らしいドレスを着せられた、彼女と同じ髪色の少女がいた

彼女の名前はレナ....

今思うと、あの時から俺の心は彼女に繋がれていたのだろう

まるで....心が満たされるようで


彼は何のためらいもなく、彼女の小さな頭を撫でた

彼女は驚きながらも、安心したのか優しく微笑む




これが2人の出会いだった


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