第18章 表裏
エレナは魔界にある辺鄙な地域の深い森の中で暮らしていた
彼女はとても美しく、自然の中でヴァイオリンを奏でる彼女は緑の美女と呼ばれた
彼女には愛する男がいた
その男は有名な貴族出身で
彼もまたエレナに心奪われていた
しかし、彼には決められた許嫁がおり、2人は結ばれる事なく一族の言われるままに引き裂かれてしまった
それでも、彼は信頼出来る"友"という肩書きを使って時折、彼女の屋敷を訪れていた
だが、ある日彼女の下に1人の男がやってくる
その者の名は"夜崎祥匙"
彼は彼女の美しさと優美な音色に一目惚れし、彼女に求婚した
しかし、彼女はその申し出を断った
祥匙は何度も屋敷を訪れたが、彼女の答えは変わらなかった
たとえ、想い人が他の女性と結婚しても
彼女の心は彼に向いていた
また、それは彼も同じ想いで....
その事に気づいた祥匙は痺れを切らし
抵抗する彼女を無理矢理凌辱した
その後、彼女は祥匙との子供を身篭った
その子供が夜崎レナ
彼女は父親の家系に伝わる特別な血を受け継いでおり、レナは正妻の娘と公表され、それを知る者は近い親戚と家族だけだった
その血故に彼女は一族から期待の目を向けられた
しかし、エレナはその事に恐怖を覚えていた
特別な血を持つということは常に何者にも狙われるということ
同時にその頃は攻撃派のラルク家が力を成していた
それに、彼女は知っていた
祥匙はこの子を利用し、何かを企んでいることも
それらを恐れ、彼女はレナを連れ、ある一族の下を訪れる