第18章 表裏
「そうだな....順を追って説明しよう」
ルキは軽くため息をつく
「その為にはまず....レナ。お前の母親についてから....」
「........」
ルキくんは少し気を使うように話してくれた
私の"本当"の母親について
私が今まで母親だと思っていた人は、夜崎家の正妻で
兄弟3人を産んだのは彼女だそうだ
しかし、一方で私は彼女の子供ではなく
エレナ=デューレ
彼女はカールハインツ様の義理の妹
そして、彼女が本物の私の母親....
初めて聞く話を簡単に受け入れる事は出来なかった
けれど、私はルキくんの記憶で見た事と交わり、それを疑うことはなかった
「大丈夫か?」
ルキくんは心配そうに私の顔を見る
「....うん」
伏し目がちな彼女の瞳を見てルキは何ともいえない苦しさをおぼえる
「やはり....これ以上は知らない方がいいんじゃないか?」
ルキは怖かった
彼女の記憶にこれ以上負荷をかければ、彼女は壊れてしまう気がして
エレナのようにその瞳から光が無くなってしまいそうで....
「私は大丈夫だよ」
「っ....」
レナは顔を上げる
「ルキくんが、傍に居てくれたら....私はどんな事だって受け入れられるそんな気がする」
レナはルキの手を握る
「レナ....」
ふっ、覚悟が出来ていないのは俺の方か....
ルキは彼女の手を握り返し、口を開いた