第1章 初恋のキミ
『何って、だから言ってんじゃん。私はトビオちゃんの・・・』
「トビオちゃん呼ぶな!ボゲェ!」
飛雄は私に怒鳴ってくる。
『え~、いーじゃん。減るもんじゃないし』
「うるさい!」
「(影山が照れている)」
「ふぅ~ん、あっそ」
メガネ君はどうでもいいと、出て行った。
「待ってよ!ツッキー!」
ソバカス君が慌てて、後を追いかけていった。
2人がいなくなった後
『とにかくさ、トビオちゃん、勝とう?』
「おっ、おぅ」
「よっしゃ!」
飛雄、少しは元気、出たかな?けど・・・ちょっと・・・不安。
でも、まあ、日向は中学の時の話、知らないみたいだし、大丈夫かな。
練習が終わったらしく、3対3で飛雄のチームに入ってくれるらしき先輩が見に来た。とはいえ、もう暗いので、帰ることに。いつも通り・・・というか、高校に入ってからは私が帰宅部だったから一緒じゃなかったんだけど、今日は飛雄に付き合ってたから、一緒に帰ることになった。どうせ、道、一緒だし。
「お前・・・ずっと見てたのか?」
『へっ?』
「俺達の練習」
『・・・・・』
え~、どうしよう?見てましたけど・・・。
「・・・バレー部、入る気、ないんだろ?」
『それは・・・まぁ、ね』
「だったら、見に来んな!」
『・・・・・』
拒絶、ではないだろうけど・・・飛雄なりに思うところがあるんだろう。でも・・・やっぱり、心配だよ。