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第2章 バレー馬鹿


『う~、トビオちゃ~ん!』
涙目で飛雄に訴える。
「っ!」
「何気に王様って前島に弱いよね」
「果穂ちゃんの扱いがうまいんだよ。付き合い長いから」
聞こえな~い。及川さんが何か言ってるのなんて。
『んじゃ、国見ちゃん☆まったね~♪』
「うん」
「ちょっ!及川さんへは?!」
及川さんは無視。国見ちゃんにだけ、手を振る。

帰り、正門で及川さんが待っていた。色々、忠告される。
「俺はこのクソ可愛い後輩を公式戦で同じセッターとして叩き潰したいんだからさ」
飛雄を指差す。
「レシーブなら特訓する!」
日向が月島を掴む。
「レシーブは一朝一夕で上達するものじゃないよ。キャプテン君と果穂ちゃんはわかってると思うけど♪」
そう言うと、及川さんは去って行った。まあ、確かに・・・。守備・・・ね。あれ?
私は慌てて、及川さんを追いかけた。
「果穂?」
「影山?」
飛雄は及川を追いかける果穂の後ろ姿を見つめる。

「あれ~?果穂ちゃん?俺を追いかけて来てくれるなんて☆」
『冗談言ってる場合ですか?』
「・・・アララッ、バレちゃってたか。流石だね~」
茶化す及川さんに私は真面目な様子で指摘した。
『今日の、遅れてきた理由。オーバーワークなんじゃないんですか?』
「っ!!」
及川さんが驚いた。図星だったみたい。
『変わらないんですね。そういう無茶する所』
「・・・果穂ちゃん・・・」
『私、嫌ですから!』
「っ!」
『故障して、無茶した及川さんに勝っても、嬉しくないですから!』
「・・・・・」
及川さんは黙りこくる。
『無理しちゃ、駄目ですよ?』
「・・・・・」
『及川さん・・・?』
「もうっ、どーしてそういう事、言うかなぁ?」
ぎゅっ、及川さんに抱き締められた。照れてる?何故?
『えっ?』
「果穂ちゃん、可愛いんだから!そういうこと、言っちゃ駄目だよ」
『及川さん・・・でも!』
「わかってるよ。・・・ありがとっ、果穂ちゃん」
私を離すと、及川さんはニッコリと微笑んだ。あれなら、大丈夫、かな?
『負けませんから、絶対!』
「うん、またね♪」
及川さんはヒラヒラと手を振って戻っていった。
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