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Tell Me Why

第3章 「 etoile エトワル☆」


「あっ、よ、よろしくね」

宏光は苦笑いで挨拶を返す。

これが裕太と会った始めての時だった。

いつも俺は基本的にみんなよりも遅く店に入る。
これはナンバー1の特権の一つ。
でも、今日は給料日でミーティングの日だからオープン前から出勤していた。

総勢37人いるホストの中で、上位5名はみんなの前で発表される。

毎月ナンバー1は俺だけど、その下は入れ替わりが激しい。
昼間の仕事と違ってこの世界は未だに給料は手渡しだ。
それをみんなに見せて闘争心を煽る

「今月のナンバー1は、また太輔っ。お前らももう少し太輔見習って頑張れよ?」

店長が給料を手に持ち叱咤を飛ばす。

手渡された封筒はテーブルの上で立つほど分厚い。

「ねぇ、凄いね?太輔さん。あの封筒に給料が入ってるんでしょ?」

裕太が隣に座っていた宏光に尋ねた。

「そうだよ、太輔はずーっとナンバー1だからね」

宏光は太輔が褒められると自分の事のように自慢したくなる。

「そーなんだ?あれで幾らくらいあるのかな?」

「300ってところかな?」

「300って、マジで?300万?宏光くんはどれくらい稼ぐの?」

「シーッ!!店のホスト同士が給料の話ししちゃいけないんだよ」

「え、そうなの?なんで?」

あのね・・・・・・
宏光は小声でそれぞれの時給が違うから喧嘩にならないようにと説明した
この世界の暗黙のルールは沢山ある。
宏光はそれを一つ一つ教えていった。

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