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Tell Me Why

第9章 「敵意」


裕太もまた、ホストが板についてきて指名が重なることも増えてきた。

「ねえ、裕太、今売り上げどれくらいなの?太輔に勝てそうなの?」

「太輔さんには届きませんよ」

「届かないってどれくらい?」

「ちょっと待ってて?」

横尾に太輔との売り上げの差を聞きにいく。

「200万もひらいちゃってますよ。あはは……」

「そう、じゃあ、私が今月、裕太をナンバー1にしてあげる」

「え?ナンバー1?いいんですか?」

今日は店の締め日だ。今日までの売り上げが今月の順位を決める。

あと、200万売り上げれば太輔を抜いてナンバー1になる。

昨日のこともあって、裕太は太輔を見返してやりたかった。

「そのかわり、ナンバー1になったら朝まで付き合ってね。裕太」

太輔さんだって、いつもこうやってきたんだ。
1回くらいアフターに行ったって、どうってことない。

どうせ、セックスするなって言う忠告も自分が追い抜かれたくないから言ったに決まってる。

「勿論、付き合いますよ」

客はうふふ、と厭らしく笑うと

「ルイ入れてちょうだい。ドンペリも。シャンパンタワーしましょう!!」

これだけでも300万は軽く越える。ぶっちぎりのナンバー1だ。

「ありがとうございます。ルイ入りますっ!!」

裕太が叫ぶと、一瞬で店内の従業員が一斉に裕太の方を向いた

この店でもなかなか出ない酒だ。

と、一拍置いて

「ありがとうございまーすっ!!桜井さまからルイ入りましたーっ!!」

と、声が飛んだ。

従業員達も一斉に「ありがとうございまーすっ!!」

横尾がルイ13世を持って席に来ると、従業員がざわざわと集まりだして裕太の席を囲む。

ホストクラブ特有のコールがかかって店内が活気付いた。

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