第8章 「発動」
暫くして、太輔も出勤してきた。
「おはよ!!太輔、指名3本はいってるぞ!!山田さんとひとみさんとまどかさん。どっから行く?」
横尾が店の隅で声を掛ける。
「あー、じゃあ、山田さん先に行って。まどかさんはアフターだろうから最後でいいや。でさぁ、ひとみさんはうるせーから合図したら適当に抜いてよ」
「おっけー!じゃあ、そんな感じで宜しく!!」
いつも指名が重なってる太輔のヘルプをしてるのは勿論、宏光
「あー、山田さん。愛しのダーリン来ましたよー」
宏光は太輔の客の対応の仕方を知っている。
「あぁ、山田さん久しぶりです。酷いなー何処で浮気してたの?」
「浮気なんかしてないよぉ」
山田さんと呼ばれてるこの客は、一流企業の課長。
見るからにキャリアウーマンで仕事だけ頑張ってきたから、男っ気もなくて中年になりましたって感じの容姿。
そこそこお金もあるからたまにこうやってお目当ての太輔の所にきては、乙女のように甘えている。