第5章 せんこう、がんこう【後編】
「大丈夫。ちゃんと慣らすから」
「え……何言っ……ぅあッ…!」
指を自身の唾液で濡らすと、木兎は赤葦の下へと指を入れた。
嫌悪感に、赤葦は思わず眉間にしわを寄せる。
「木兎さ……これっ…やだっ……」
「……悪ぃ。でも、もうちょっとで気持ち良くなるから」
そう言いながら、赤葦の感じそうなところに指を進める。そして、ある一点を擦った時、赤葦から聞いた事のない嬌声が放たれた。
「あぁあっ!」
ビクビクっと身体を揺らして、自分でも驚いているのか、口を手で覆いながら声を押し殺す。そんな赤葦を見て、木兎はにやりと笑った。
「ここか」
と言うと、木兎は赤葦のいい所を重点的に攻めていく。こすれる度に、身を捩りながら喘ぐ赤葦が、木兎は可愛くてたまらなくなる。
「木兎、さ……んっ……ぁっ…あっ……や…ぁっ」
声を押し殺そうとしても、気持ちよすぎて思わず出てしまう。自分の乱れっぷりに一番驚いているのは赤葦だった。