第5章 せんこう、がんこう【後編】
「木兎さんは、俺といてどんな気分ですか」
「は?」
頭の上に?を浮かべる木兎をおいてけぼりにするかのように、赤葦は1人で話し始めた。
「最近の木兎さんの不調は、俺の原因なのかなって……ずっと思ってました。木兎さんは気を遣ってなのかなにも言ってくれないから……俺、すげぇ悔しかったです」
「だから、」と赤葦は続ける。
「気を遣ってくれなくてもいいです。俺だって、木兎さんには気を遣うことはしてないんですから。だから木兎さんも、俺に気を遣って言うこと我慢しないでください!!」
2人きりの部室。
向かいに座る好きな人。
このシチュエーションに、木兎の理性はもう耐えられなかった。
「……ごめん、赤葦」