第3章 君心地、春心地。
「ナイス……キーです………」
呆気に取られていた赤葦は、ふっと我に返り、そう呟く。木兎の方に視線をやると、彼もまた、驚いている様子だった。
「お前、すっげーな!」
「……は?」
不意に出た言葉。
木兎は目を輝かせて、赤葦を褒めた。
「高めとは言ったけど、ここまでドンピシャなトス初めて打ったかもしんねーってくらい、腕にどばっとハマったぜ!!」
「サンキューな!スカッとした!」と、木兎はにかっと笑って言った。
赤葦は突然褒められたことに戸惑い、「うっす」としか返せなかったのだが。
改めて思うと、とても光栄なことだ。
まさか、自分が少し気になっていたスパイカーにそんなことを言われるとは。
赤葦自身も、予測はしていなかった。