第3章 君心地、春心地。
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「1年、佐藤です。中学ではMBやってました…!よろしくお願いします!」
―――ある日の放課後。
今日から新入生の部活見学が始まった。男子バレー部は体験も出来ると部活勧誘のチラシに書いてあった為、赤葦は自分のシューズとサポーター、練習着を持ってきていた。
……そして。
「赤葦京治です。○○中でセッターやってました。高校でも、ポジションはセッター志望です。よろしくお願いします!」
声を張りつつそう言って、軽く頭を下げる。前に並んでいる先輩達は、「よろしくな」と口々に言っていた。
「じゃあまずはウォームアップでパス練習やるぞ。1年生も入ってやってみっか!」
―――梟谷の先輩達は、すべてにおいて綺麗だ。と、赤葦は思う。
アンダーパスの腕の締め方、オーバーパスのしなやかさ、そして――パス練習全体において姿勢が崩れない。