第2章 おまえとこれからも
――こいつともそろそろ、一緒にバレーが出来なくなる。
最近、木兎はそんな憂鬱なことを思い始めている。
赤葦のトスを打つたびに、自分の心の中のモヤモヤが全て晴れる気がして気持ちよかった。
どんなに機嫌が悪くても、赤葦のトスが打てると思うと気分が軽くなる気がしていた。
何より部室に行くと、体育館へ行くと、赤葦がいることが――木兎にとっては嬉しかった。
想いを伝えてしまおうか。
すきだと。
凄く、お前を欲しているんだと。
俺は。
こんなにも赤葦が――――――……
そこまで思考が進んでいるとは、自分でも思ってはいなかった。
主将が自分だと決まったとき、木兎は「やってやるぜ!」という気持ちより「面倒くささ」の方が上回っていたりしたのである。だが、自分が“副主将は誰にするか”を決めるとなったとき、口から自然と出た名前。
《 赤葦 京治 》
今や、この梟谷で、木兎の次に必要で――重要な柱。