第2章 おまえとこれからも
「…木兎さん、お疲れ様です」
練習が終わり、部室で着替える前に体育館出入口のすぐ脇に有る水道で、木兎は頭から水をかぶっていた。
そんな彼のもとに、持ってき忘れていたスポーツドリンク用のボトルを持った赤葦がやってくる。
「あ、赤葦!今日もお疲れさん!」
にかっと白い歯を見せて笑うと、赤葦は「よく笑ってられますね」と言いたげな顔で木兎を見ている。そんな赤葦からボトルを受け取ると、木兎は残っていた中身を飲み干して、容器をすすいだ。
「疲れた?」と木兎が問えば、赤葦は「まぁ、それなりに」。
部活終わりに、なんとなく毎日する会話。
毎日変わらない赤葦のその返答に、木兎は「なんだそれ」とまた笑ってみせた。