第2章 おまえとこれからも
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10分後。
5分休憩してボールを触り出した木兎は、1人でサーブを打ち始め、ひとしきりついたところで、赤葦に声をかける。
「あかーしー!もうトス上げてくれるか?!」
まちきれない、そういった顔で。
そんな主将の顔を見たら、赤葦は応じざるを得なくなる。
「まだ体力回復してないんですが」と、皮肉を言いつつも、彼は靴紐をしっかり結び直してまた、コートに入った。
……お前は、どんなふうに思うだろう。
俺が、
お前のことをどれだけ信頼してて、
どれだけ大切かを知ったら。
赤葦。
お前は、どんなふうに思うんだろうな。