第5章 ☆徳川家康☆ ~やきもち~ /完結
『み…つな…り…?』
先ほど鎮めたモヤモヤが明らかな嫉妬の炎を燃やす。
あまり気にしてはいなかったが今となれば見過ごしてはならなかった三成の言動。
あいつは俺の前で
『綾様が駿府に行かれてから私のここの具合が悪いようなのです。
何故でしょう? 家康様を見ると胸が騒ぎ気分が落ち込みます。何かよい薬を調合して貰えませんか?』
そう真剣な顔で相談してきた。
明け透けな告白に呆気に取られているとタイミングよく政宗さんが三成を連れてその場を離れてくれたがあいつは綾への想いが何なのか気づいていない。
だから、気にもせず城にいる間綾の廻りをうろちょろして何かと同じ時間を過ごしていたようだ。
俺の見てない所で何かあったのか!?
今すぐ揺さぶり起こして綾を尋問したいがそこはグッとこらえて深呼吸する。