第1章 ☆徳川家康☆ ~幸福な道~ /連載中
あれから数日、御殿をでることをせず怪我の養生に専念した。
綾も毎日、かいがいしく俺の世話をしてくれていた。
あとは深い傷口が完全に治るのだけであったが、もとより体力はあるほうなので思ったより早く城に出向き信長様の御前にでることができた。
『-というわけで綾を利用し信長様を安土から引き離そうとしていたところ・・・俺を見つけ標的を俺にむけ野盗として暴れていたようです』
『なるほどな。 今川の残党がいまだうろちょろしていたわけか』
『しかし、すべて捉え今ここの牢に閉じ込めているのでもう綾様が狙われることはないよですね』
『そうだな』
『なれど、この件まだ裏で糸を引いているものがいる気がします。信長様、明日さらに今川の残党を俺に尋問させてはもらえませんか?』
『わかった。 後日、政宗も呼び寄せ改めて軍議を開く』
『はっ』
『家康、次の軍議には綾も参加させる。
明日綾を俺のもとへ連れてこい、よいな』
俺は悟られないように・・・
『御意』
そう答え、平静を装うのに必死だった。
-綾を信長様の元へ返す