第1章 ☆徳川家康☆ ~幸福な道~ /連載中
城からの道中、俺は綾のことを考えていた。
毎日、あの涼やかな声で俺のまわりをうろつき家のものたちと楽しそうに暮らしてきた。
-やっと静かになるだけだ。
そう自分を納得させ綾に説明し信長様のもとへ返すだけ。
もう、この仕事は終わったのだ。
『・・・静かになってしまいますね。。』
ふと、横を歩く家臣がおれに声をかけてくる。
『何言ってんの。もともと静かで暮らしやすい御殿だったで しょ。
騒がしくて、、、やっかいな人がいなくなるだけだ。』
これ以上はだれも俺に綾について話しかけてこなくなった。
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城につくなり綾が玄関で元気よく話しかけてきた。
『お帰りなさい!! 』
『何してんの』
『身体大丈夫ですか? 痛いところはありませんか?』
矢継ぎ早に質問される。
『明日、、、快気祝いしませんか? みんなで!』
隣にいる家臣たちが息を飲むのがわかる。
綾の楽しそうな笑顔をみて俺は心が痛んだ。
『ちょっと来て』
そういっておれは綾の手首をつかんで玄関をでた。