第1章 ☆徳川家康☆ ~幸福な道~ /連載中
『迷惑だから』
俺はそう言い残し、もう一度綾がいた方をみる。
-いない
-まさか城からでた?
綾は何故か信長様のお気に入りで秀吉さんや政宗さんからも可愛がられている女。
先刻の軍議で囮になることが決定し少し顔色が悪かったが
信長様に恩義があるなら当然のことだろう。
そんな綾がいなくなれば秘密裡に進めていることも台無しだ。
『ちっ・・』
俺はとっさに一人で後を追う。
城下町を探してはみるがどこにもいない。
時は亥の刻あたり・・・
あんな弱そうな女が一人でうろついていい時間ではない。
この先の林を抜けると織田の領地からでてしまう。
-まさか