第1章 ☆徳川家康☆ ~幸福な道~ /連載中
- まったく何であの人はいつもそうなの
逸る気持ちを抑え女中から伝え聞いた処へと向かう。
タタタタタ―――
俺はしばらくその場で茫然と立ち尽くす。
女中は綾がぜひ掃除を手伝いたいと願いでるのでお願いしてしまったと。
預かりの姫様にあのようなことさせてもよいのか困って報告にきた。
おれが見た綾はたすきをかけ、裾をまくり一直線に廊下を走る姿で・・・
通りすがる家臣たちは見てはいけないものを見てしまったかのような顔で俺の方へ来る。
俺は頭が真っ白になった状態で綾の前を立ちふさぐ
『何してるの』
綾は最初、困った顔をしていたが
『私、家康さんにお礼がしたくて・・・それでここの方たちにもすごくよくしてもらっているので
自分にできることでお礼をしようと思ったのです』
そう、話す綾はとてもきらきらしていた。
- 動悸がする、薬・・・