第4章 月日は過ぎて文化祭
おそ「……………なにメルヘンチックな事言ってんだお前」
『覚えてないの!?ほら……廃墟の病院に、肝試し行った時の話だよ!』
おそ「……………」
…………思い出した。あれは中学一年の時。肝試しを兄妹全員でしようって話になり、俺らはそれぞれ互いを脅かし始めた。まあ、その時その廃墟が殺人犯の潜伏先であったとか、色々あって、何故かこいつは幽霊がいるとその時から信じているっていうわけ。
『一兄だってここにいないし……私何にもできないし………でも無事でよかった。』
おそ「……ああ。おまえこそ大丈夫だったか?」
頭をぽんっと叩く。
『………………………大丈夫だったよ。兄さんが無事ならそれで。』
…………あーそう言えばこいつと一松か。殺人犯に最初に追いかけられたのって。いろいろ思い出させちまったか。
おそ「あや子、俺は強いから大丈夫だ。」
たしか俺もこの時からだったな。心配させねぇように強くなろうとしたのは。