第4章 月日は過ぎて文化祭
『うっひぁぁぁ!!!』
首に冷たいのが!!!!!!
おそ「ただの水だって。お前それ何回目だよ。」
6回目ですけどそれが何か!?
おそ「しっかしここ実際の旧校舎使ってやってんだよなぁ。そういえば…」
『ききたくないいいい!!』
それ去年の中学校でも聞いた!!
おそ「ここ、死体があるらしいな。生徒と教師の禁断の恋。生徒に子供が出来ちまって焦った教師はこの旧校舎のどこかに…………うおっ!」
「ぎゃぁぁぁーーー!!」
『きゃぁぁぁぁぁー!!!!』
この馬鹿兄貴いい!!!
『兄さん!!冗談がすぎ…………え?』
さっきまでいたはずの兄さんが………いない?
『…あれ?…………さ、さっき……叫んだのって…………誰?』
おそ松兄さんじゃ……なかったような……。おそ兄は一体どこ?……ま、まさか……女子生徒の幽霊が……!?
『お、おそ松?冗談が過ぎるよ?ねぇ!おそ松兄さん!』
辺りは私の声が響くだけ。
『に、兄さん……兄さん。』
ど、どうしよう…兄さんが幽霊に………い、一兄を呼ばなきゃ……
うおおおおおおお
『ひゃっ!?なになになに!?』
兄さん…おそ松兄さん!!どこ行ったの!?
───────
おそ「………なんでこーなるかな」
予定じゃ作り話であや子を極限までビビらせて、配置についている脅かし役でさらに怖がらせて、吊り橋効果でラブラブにってかんじだったのによ。
話のクライマックスって所で何かに引っ張られ、数人の不良に絡まれる始末。おどかし役の姿も見えねぇし。手際の良さと言い、計画的だな。全員ノビさせたから意味ねぇけど、俺の計画はぱー。もう一発と言わず10発ぐらい殴っておけばよかったぜ。
残してきたあや子が気がかりだったので、戻ってみると耳を塞いで地べたに座り込んでいるあや子。
おそ「なにお前腰抜けちゃったわけ?」
『おそ松兄さん!』
半泣きのあや子を見て、少々驚かせすぎたなと反省する。
おそ「いやぁーわりぃわりぃ!ちとションベンもれそうにな……」
よっぽど怖かったのかあや子は俺に抱きついてきた。仄かないい香りが俺の鼻をくすぐる。鼓動が速まっていくのが分かった。だめだ。自分が制御出来そうにない。
おそ「あ、あや………」
『幽霊にまた攫われたのかと思っちゃったじゃん!』
おそ「………………はぁ!?」