第4章 月日は過ぎて文化祭
「いらっしゃいませー」
一「………………!!」
店に入るとそこらじゅう猫だらけだった。………一兄の目きらきらしてる。
『二名です。あのーこの券って……』
「ああ! これ限定チケットなんですよ!こちらへどうぞ」
『…………え』
案内されたのはハートの椅子と机。
「どうぞごゆっくりー」
できません!
一「……」
一兄はお気に入りの猫を見つけたようで、ご満悦。
まっ、せっかく来たんだし。私も楽しもっと。
『うわっ!一兄、一兄!この子めっちゃ美人だよ!』
一「……ねぇあや子。兄ってつけたらバレちゃうんじゃない?」
『あ、やばやば。ほら見て一松!』
一「……俺はこいつがいい」
『一松ってけっこうブサカワ系好きだよねー』
一「あや子は正統派が好きだよね」
『だって可愛いもん。猫ってあざといよねー!可愛い!!』
一「………!?」
『ん?どうかし………あ。カラ兄だ。演劇部で遊びに来たのかな?おー……ハッ!?』
一「………」
今の自分の状況を見る。ハートの一角のこの席に座る兄と妹。これは………カラ兄というより学校の方々に見られると不味い。非常に世間体に悪い!
一「……ここに誰か知り合いいる?」
『……………いないね。ぜんっぜんいない!』
心持ち少し壁による。