第4章 月日は過ぎて文化祭

十「………あや子…入っていい？」

『いいよ。十四松兄さん』

入ってきたのは十四松兄さんとトド松兄さん。二人ともシュンってなってる。

トド「その……さっきはごめんね。僕達頭に血がのぼってて」

『うん。もう怒ってないよ。ほら、仲直り！』

十「…………ごめんねあや子！」
トド「ごめん」

うちの兄さんたちは素直なんだか、そうじゃないんだか。

『でも二人が上の兄さん達と喧嘩するなんて初めて見たよ』

トド「…んーうん。まぁね。いつものくだらないこととかだったらしないけど…今回のはちょっと違っててね」

十「俺も。喧嘩なんてしたくないけど、でもしなきゃいけないときもあるっていうことは分かる。」

『それは…やっぱり私には分かんないこと？』

トド「…………そうだね。多分わかってもらえないと思うよ」

十「んー、あや子にはまだ知られたくないかな。」

『そっか。なら聞かないよ。十四松兄さんとトド松兄さんにはね。』

トド「うっわー。その言い方はほかの兄さんに聞く気満々だね」

『だって私だけ知らないの嫌じゃない？なーんか仲間はずれされてるみたいでさ』

十「……そうだよね。ごめんね。」

『許す。十四松兄さんが可愛いから！』

トド「またそれー。ほんっとあや子って十四松兄さん大好きだよね。…………もしかして兄弟の中で一番好きなのって十四松兄さんだったりする？」

『………ぷっ！！』

十「どーしたの？」

『ううん。なんでもない。そうだねー。兄さんたち全員一番好きだよ。でもまぁ言うとするなら、一番元気を貰えるのが十四松兄さんで、一番支えられているのはトド松兄さんってとこかな。』

十「俺…あや子に元気あげれてるの？？」

『うん。いつもありがとね！』

トド「…こちらこそありがとう。そして、どういたしましてだよ。」