第3章 売られた喧嘩は買う主義なの!
「あ! あや子ちゃん!!こっちこっち!」
声のする方を見ると、チアガール姿のトト子ちゃんが。
『よかったー!無事会えて!』
「ごめんね!ちょっと準備に手間取っちゃって。みんなも来てくれたんだ。どう?可愛い?」
くるっと一回転するトト子ちゃん。
「めっちゃ可愛いいいいい!!!」
……おーい。戻っておいでー。
見事にデレっデレのご様子。
「きゃー! この子が噂の?可愛いわね!あーおしい!この学校に来ればよかったのに。」
「そうそう!この器量ならいい演技が出来るわ。」
「やーん!足も綺麗」
何故か私を取り囲むお姉様たち。ほっぺをふにふにされています。
「って言うか、顔が六つってすごいわねー。」
『7つ子なんです。私も一応みんなと同じ何ですけど、何故かあんまし似てなくて。』
「へー!珍しいわねすごーい!!」
その後、キャピキャピのお姉様にみんなデレっとなっちゃって、1人苦笑いしてました。
「大変ねーあなたも」
『ん?』
トト子ちゃんとかき氷を食べながら話をしていると、ふとトト子ちゃんが呟いた。
「んー?みんな変わってないなって思ってね。」
『あの兄さんたちが簡単に変わると思わないけどね。』
「それもそうね。あなたも全然変わらないわ」
『人間そう変わるもんでもないよ。』
「みんな相変わらずあなたのこと大事にしてるのね」
『私末っ子だからね。』
「………それだけじゃなくてね……」
『………?』
「私はそんなあなたがちょっと羨ましかったりしたのよ?私には兄妹とかいなかったから。」
『あはは。大変だよ。』
「でも楽しいでしょ?」
『うん。すっごく楽しい。』