第3章 売られた喧嘩は買う主義なの!
おそ「………じゃあお前は……その作戦を今日思いついて、運良くしていた化粧であいつらをおびき出して、十四松を虐めていた連中を見事成敗したってことだな?」
『そうだね。なんでそんなこと聞くの?』
おそ「いやーね。兄ちゃんてきに十四松よりもお前の様子が気になっててね。」
『私の?』
おそ「もう面倒だから回りくどい言い方やめにするわ。お前、ここ1週間どこで何してた?」
『………普通に部活してたよ。』
おそ「最近部活に顔出してないって聞いたぞ。朝も委員会って言って早く行登校してたけどそんなもの無かったしな。」
『………………………』
おそ「んで、今日それが分かった。」
『……………分かった?』
おそ「お前が十四松の代わりに殴られてたってことがな」
………………………………………
おそ「お前俺達の真似うめぇもんな。俺達でさえ間違える時があるほどだ。」
『……………いやーそっちの方が誘い込みやすいだろうなって思ってさ。ちょっと痛かったけど…』
バンっ!
鈍い音で私は言葉を失った。おそ兄は私を睨む。
おそ「ちげぇだろ?今日だけじゃねぇだろ?ここ1週間ずっとお前は十四松に成り代わって殴られてたんだよなぁ?だから俺達と行動するのを避けて、体育は見学して、普段しない化粧をして隠してたんだよなぁ?」
………………………
おそ「いつも十四松にべったりなお前のことだ。気づいた後徹底的に調べたんだろ?野球部のマネージャーがお前にいろいろ聞かれたって言ってたぜ。」
………………参ったなぁー
おそ「……負けを認めるか?」
『参りました。あーあ。うまく誤魔化せるって思ってたんだけどなぁ。…予想以上に……傷が響いててさ』
おそ「……そんなことしても十四松が傷つくだけだろ。」
『うん。でも、十四松兄にはこれ以上傷ついて欲しくなかったし、一応野球部の先輩だったからね。慎重に行動を起こしたかったんだよ。ごめんね』
おそ「……許すわけじゃねぇけど、あいつらにも謝っとけよ」
おそ兄が指したのは麩。
『…………うん。……………ごめんねチョロ兄、一兄、トド兄…………十兄。』