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六つ子+溺愛妹

第2章 高校生になりました


「松野妹!」

放課後。廊下を歩いていると不意に声をかけられた。振り返るとあの生徒指導の先生が仁王立ちに立っていた。……私なにかした?

「話がある。ちと指導室まで来い。」

…………………話!?!?ま、待って…な、なんだろ?ん?何かした?

「…………………………」

『……………………』

ちらっと先生を見ると眉間にシワを寄せる先生。ふと、おそ松兄さんが以前言っていたことを思い出す。

「あ〜むかつく!!あーんのハゲ!!ハゲ!!」

………確かにちょっと頭の方が………

「ん?なんだ?」

「いいえ。 なんでもありません。先生」

……絶対顔引きつってる。…我ながらブッサイクな笑い方をしたものです。

「………そうか。」

……そう言えばこの先生あんまりいい噂聞かないんだよなぁ。結構美人な女子生徒に言い寄ったりとかしてるっておそ松兄さんが言ってたし…。………まっ、私には関係ない話か。

「入りなさい。」

おっといけないいけない。慌てて指導室に入る。初めて入った指導室の感想は殺風景。男女の制服を着たマネキンに真ん中に机、そして椅子が2個おいてある。奥にはソファもあるけど、おそ松兄さんたちはこっちの椅子の方にいつも座って、こってり絞られているのかとその姿が容易に想像出来た。きっとぶすっとした顔で反省文書いてるんだろうなと笑いがこみ上げてくる。

「座りなさい。」

『失礼します。』

私はソファのほうに座るように言われ、腰を下ろす。

「松野あや子。成績、素行共に優秀。…全く同じ兄妹だとは思えんな。」

先生は私の顔が貼ってある書類を見て話を始めた。

『何か困っていることはないか?例えば……兄たちに暴力を振るわれているとか。』

…………………はい?

『…質問の意味がよく分からないのですが』

「毎日何かしらの問題を起こす長男にその長兄にほだされ問題を起こす次男。アイドルにうつつを抜かし、学生禁止区に立ち入る三男に学校内に動物を持ち込む四男。五男は窓ガラスや学校の器物を壊す常習犯だし、六男は深夜徘徊、不順異性交友の対象者。全員が何かしらの問題を起こし、ここに呼ばれている。」

『…はぁ。』

…えらくカッコつける先生だと思う。なるほどここから噂は来ているのかもしれない。






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