第2章 高校生になりました
『十四松兄さん!!』
保健室の扉を勢いよく開けると、十四松兄さんと一松兄さんがいた。
「あれぇ~?あや子どうかしたの?」
ケロッとした顔の十四松兄さんにほっとした。
「…どうせ教室から十四松が転ぶの見てたんだろ 」
さすが一松兄さん。お見通し。
『…一兄だってサボれてラッキーとか思ってるくせに。』
「思ってますけど。だってあんなの無駄じゃん」
…悪い顔だわー
「心配してきてくれたの?ありがと!」
にこにことする十四松兄さん。正直可愛い。だから抱きしめた。
『十兄可愛い。ほっぺたやわいー。』
「…はっ。でたよ。あや子のブラコン。」
『甘えるのは妹の特権だと私思うの』
「…世の中の妹って普通兄貴のこと嫌いだと思うんだけど」
『私には6人お兄さんがいるんだから普通の妹じゃないもん』
「…あっそ」
『あ。そう言えば一兄。チョロ兄が生徒指導の先生が呼んでたって。…また猫連れてきたの?』
「……知らない」
そっぽを見る一兄の様子を見ると、そのようだ。
『生徒指導の先生も大変だよね。』
「ねー。」
「…いや十四松も結構な頻度で呼ばれてるからな」
『あ、そう言えば、今日はおそ兄だったね。また何かしたの?』
「……喧嘩じゃない?」
「やきう!」
『また!? よく絡まれるよねおそ兄って。……あ、チャイムなっちゃった。十兄、一兄着替えなきゃね。またあとでねー』
十兄のほっぺたは名残惜しいけど、戻らないと今度はチョロ兄から怒られちゃう。