それでも私は生きていく 【PSYCHO-PASS】
第2章 人民の自由は国家の強さに比例する
私はワケあってギノ達一般監視官のように街中には住んでいない
執行官達が住む公安局内に住んでいるのだが、特に不自由はしていない
ただ一つ言えるとしたら、外出許可を簡単ではあるが入口の警備ドローンに申請しなくてはいけないことだろうか(数秒で済むのだが)
執行官達よりはマシな設備なので文句をこぼせないが、強いて言うなら夜景が見たかったと思う(これも言えばホロ再現されるのだが何か違う)
そんなくだらない事を考えながら毎朝通う道を決まった間隔で靴を鳴らして歩くとすぐに職場だ
「おはよーっす!」
「あ、琥珀おはよー」
「おはよう、朝から元気そうで何よりだ」
秀ちゃんの元気な挨拶の後にとっつぁんが挨拶しながら頭をわしゃわしゃっと乱暴に…でも優しく撫でてくる
とっつぁんは夜勤明けなのでこれでお仕事は昼間で休みらしい、秀ちゃんは今日はいつもより早起きだったようだ
「とっつぁんーせっかく珍しく髪の毛もちゃんとセットしたのにそりゃないよー」
「ん?悪ぃ悪ぃ。つい娘がいたら…って思うとなぁ」
がははっと豪快な笑いで私の髪の毛を再び撫でる、せっかく直したのにもう意味を成していないようだ
「琥珀、遊んでいるな。先日の報告書を早く局長に提出しろ」
「げ、来たばっかなのに…ギノやっといてよー」
「ふざけるな、これはお前の仕事だろ。仕事をしない奴は次の出動時に置いて行くぞ」
「いやー丁度報告書出したい気分だったんスよギノさん!早速いってきまーす」
これ以上ふざけると問答無用で怒られる事を察した私は、ギノから報告書を半ば取り上げる形で奪い局長室へ向かう
途中、トレーニングから直接来たであろうコウちゃんと挨拶をしながら局長室へと小走りで向かう
すぐに一際重厚感のある扉をノック無しで入ると、来ることが分かっていたかのようにどっしりと構える局長、禾生壌宗がいた
「そろそろ宜野座君に言われて来る頃だと思ってはいたが…ノックをしないのはいただけないな?奏多琥珀君」
ニコリ、そう笑う顔は私はあまり好きではない
「先日の報告書です…それ以外にも何か用があってギノに持ってこさせなかったんでしょ?
シビュラさん」