それでも私は生きていく 【PSYCHO-PASS】
第3章 友情は魂の結びつきである
廃棄区画は、汚くてたまに異臭がするから嫌いだ
しかし、今の社会と完全に隔離されているこの空間は何故か懐かしく感じた
そんな不思議な空間を秀ちゃんと歩いていく
「さっさと見つけて、夕飯食べなきゃね」
「食い意地張りすぎじゃね?ほらここ入るよ」
「どーせ食い意地張った可愛げのない子ですよ…」
ぶつくさと文句を言いながら、一つの建物の中へと入りこむ
この中は勝手に増築したり、使い物にならなくなったりしている分、昔の地図すら役立たないので自力でマッピングするしかないのだ
しばらくうす暗い道を歩いていく
勿論、どこに大倉がいるかわからないので無言だ
すると、徐々に女性の泣くような声と男性の何か話す声が聞こえてくる
すぐにその正体は見えてきて、大倉が人質と思われる女性を襲おうとしている正にその瞬間だった
すぐに秀ちゃんの事を見て、ギノさんの指示を仰ぐ事を決定する
『こちらシェパード2とハウンド4、KTビル4階で対象を発見。どうします?』
『ハウンド2と俺で包囲する』
『うーん…それも手だけど、人質が持たなそうですよ?そろそろ彼女色濁りそう』
包囲を待とうと私も思ったが、おそらくギノさんが思っている以上に人質の女性が限界だろう……不憫でならない
『私達で確保、いいですか?』
『わかった、しくじるなよ』
『りょーかい…!』
ギノさんからの確保命令につい口角があがる
そのままドミネーターを男に向けると、人工音声が話し出した
<<犯罪係数オーバー190、執行対象です。セイフティを解除します>>
「…あーあ、これはもう"いらない"ね」
私は秀ちゃんと同時に、セイフティを解除したドミネーターの引き金を引いた
男を殺して、女のサイコパス値を見てから保護かまた殺す
それでこの事件はキレイに解決……
………そのはずだった