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それでも私は生きていく 【PSYCHO-PASS】

第3章 友情は魂の結びつきである



土砂降りの中、ギノさんと二人でコミッサちゃんに中のテントまで案内される


「まぁた厄介な場所に逃げましたねぇ…」
「全くだ」


そんな話をしていると、バシャバシャと水たまりの中をスーツ姿の女性が駆けてきた


「あ、あの!宜野座監視官はこちらに…?」

「俺だ、配属早々に事件とは災難だったな」


ギノさんが視線を移すと同時に私もその女性を見る

私よりひとつ年下と聞いているその女性は、ショートカットの髪の毛をぐっしょりと濡らしながら見事な敬礼を私達へと向けた


「本日付で刑事課に配属となりました、常守朱と言います!どうぞ宜し―」

「悪いが刑事課の人手不足は深刻でね、新米扱いはしていられない」


冷たく言い放つギノに多少なりと怯える朱ちゃんに声をかける


「ギノさんは冷たすぎるよねー全く。私も1係の監視官、奏多琥珀だよ。去年から配属されたから分からないことがあったら聞いてねー」
「よ、よろしくお願いします!」

ビシッと敬礼をする朱ちゃんを見て、私も去年こんな感じだったのか…と思ってしまう
挨拶を終えるとすぐにギノさんの事件についての説明が入る
私は先ほど聞いたので、護送車が来るのを待っていた


事件についての説明を終えた頃に、タイミング良く護送車がやってくる


「これから会う連中を同じ人間だと思うな。奴等は犯罪係数が規定値を超えた人格破綻者だ。本来ならば潜在犯として隔離されるべきところを、ただひとつ許可された社会活動として、同じ犯罪者を駆り立てる役目を与えられた」


「奴等は猟犬…獣を狩る為の獣だ」



私が配属されたときにも同じ話をしてたなぁと思いだしつつ、思いきり反論した事も思い出した

確かに人格破綻者と言われる潜在犯だが、普通に話せばいい人達なのだ



「新人ちゃんはどっちになるかねぇ」


独り言のようにつぶやいた言葉は、雨に流されて消えてしまった


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