それでも私は生きていく 【PSYCHO-PASS】
第3章 友情は魂の結びつきである
昼休みが終わり、午後出勤に向けて気合を入れて戻る
秀ちゃんの作るオムレツは格別なのもあり、夕飯のためにせっせと仕事を終わらせようとしていたそのとき
<<××区にて規定値以上の犯罪係数を計測。セキュリティドローンによるセラピーを拒否し、人質をとり逃亡。1係はただちに現場へ急行してください>>
「…これは中々いい事件ですねぇギノさん」
「事件に良いも悪いもない。全員聞いたな?ただちに護送車に乗れ!琥珀は俺と来い、移動しながら詳細と作戦を立てる。以上だ」
すると途端に雰囲気がピリッと緊張して、全員がやるべきことを進める
執行官4人を護送車へと送り、ギノさんの隣に乗り込む
一応ギノさんが運転席に座っているが自動操縦になっているので、打ち合わせには問題なかった
「コウちゃん達、画面は見えてる?」
『あぁ、問題ない』
画面ホロを共有した事を確認すると、事件の詳細を読み上げる
「対象は大倉信夫。街頭スキャナーにひっかかってセラピーを要求したけど拒否して逃亡…記録のPsycho-Pass値はフォレストグリーン。高い攻撃性・強い強迫観念が予想されてるよ。不適合薬物を使ってる可能性もあるってさ」
「シビュラ判定をもらうまでもないな…潜在犯だ。気を引き締めて行くぞ」
ギノさんの台詞に不謹慎ながらドキドキする
これは恋愛的要素は全くなく、生きているという魂の喜びが心臓にまで届いている証拠だ
「…それにしても、これから来るはずだった新人さんは本当に可哀想だねぇ初っ端から事件なんてさ」
「新人の事より自分の事を考えろ、琥珀。興奮して取り乱すなよ」
「分かってますって、その為の秀ちゃんとのペアでしょう?」
『おいおい俺だって荒業で止めるの疲れるから止めてくれよ?』
「はぁーい気を付けまーす」
皆が私を心配するが、私はアレを制御しなくてはならない
その為に監視官になったのだから
そんな事を考えていると、現場についたようだ