それでも私は生きていく 【PSYCHO-PASS】
第3章 友情は魂の結びつきである
「此奴等が執行官、君の預かる部下達だ」
突然の執行官の説明と紹介に一瞬戸惑う朱ちゃんと秀ちゃんの視線が交差する
「そっちのカワイコチャンが噂の新入りさんっすか?ギノさん!」
「常守朱監視官だよ、それとカワイコチャンは二人いるからちゃんと覚えておいてよね秀ちゃん」
「え?どこどこ?いないけどなぁ」
「歯ァ食いしばれ」
「喧しいぞお前等、少し黙れ」
いつも通りのおふざけが始まろうとするとギノさんに殴られる
それで我に返った朱ちゃんは、執行官の皆にお辞儀をした
「全員移動中の琥珀の話は聞いたな?今から袋の鼠を更に締め潰す。琥珀」
「はーい、目撃者の証言では人質は若い女性。身元の確認はまだとれてないよ。そしてここは登録上の無人区画…でもそのせいでホームレスが沢山いるよ、気を付けてね」
新しい情報を全員の頭に埋め込むと、ギノさんが口を開く
「手分けをして順繰りに行く。制圧したエリアは中継器を配置してドローンに引き継がせろ」
ドローンの蓋が開きドミネーターが顔を出す
「六合塚は俺と来い。縢は琥珀と、残りは常守朱監視官に同伴しろ」
頼りになる二人を朱ちゃんに選んだつもりだろうが、初対面でいかつい二人を選ばされるのは中々辛いと思う
そのせいかかなり驚いている朱ちゃんの近くで秀ちゃんも同じ顔をしていた
「えー!?俺カワイコチャンとが一緒がいいッス!」
ギノさんと弥生ちゃんが無言で行ってしまったのを見て、また叫ぶ秀ちゃんをドミネーターで軽く殴る
「ほら早く行くよ、絶対私が犯人撃つんだから」
「可愛くない方かぁ…あーやだやだ」
「うるさい撃つよ」
「監視官サマこわーい」
ぎゃあぎゃあ騒ぎながら廃棄区画へ足を踏み入れる
ふと後ろを向くと、とっつぁんが何やら説明しているようで人選はやっぱり正解だったのだろうと思った