第4章 強くなるために。
私とテトは馬小屋を1つ1つ回りながら 昨日の馬を探し歩くことにした。
『…ねぇテト』
「はい」
『昨日の馬の特徴を分かるかしら』
「特徴ですか…」
昨日初めて乗った私より きっとテトの方があの馬のことを知っているわよね。私が分かることといえば あの馬の色だけだもの。
テトは立ち止まり少し考えると「そう言えば…」と口ずさんだ。
「あの馬は右の瞳の下に 星のような黒い模様があるのが特徴でした。白い手並みですし 見ればすぐに分かると思いますよ」
『そうだったのね。…そうそう!あの馬の名前を聞いても良いかしら』
「あの馬に名はございませんよ。元々 パルシマ王国にいる荷物運びの馬の1頭にすぎませんし」
『そう…なのね』
荷物運びの馬。だからあんなにも 力強かったわけだわ。でもあの馬の瞳はとても優しかった。それはきっと 戦に出ていないからね。
私とテトは再び歩き始め 白い馬が集まっている小屋へと向かった。
◆◇◆
馬を探し始めてからすでに数十分。白い馬のいる小屋を探していた私とテトは今 小屋の前で首をかしげていた。
「…いませんね」
『えぇ。どこにいるのかしら』