第4章 強くなるために。
乗馬を了承してくれたテトに嬉しくなり 私は満面の笑みを浮かべながらお礼を言う。すると テトも嬉しそうに微笑みかえし 部屋を出ていった。
良かった。せめて1人で馬に乗れないと いつまでもテトに迷惑をかけてしまうものね。すぐには無理かもしれないけれど 努力あるのみだわ!それに またあの馬に会える。そう言えば あの馬には名前があるのかしら。また後で テトに聞いてみよう。
私は嬉しさに小さく笑うと 身支度を整えるために窓近くから離れた。
◆◇◆
『わぁ…ここはたくさん馬がいるわね!』
「そうですね。きっと パルス王国の騎馬部隊たちの馬だと思われますよ」
『騎馬部隊さんたちの…』
だからなのね。
ここの馬たちの瞳はとても凛々しく 戦場を駆け回ってきた証のように いくつもの傷がある。逞しい体から伸びる強い足。馬たちは私とテトを不思議そうに見つめている。
『ここに 昨日の馬もいるのかしら』
「えぇ。さきほど確認してまいりましたところ ここのどこかで休ませているとのことです」
『どこか?』
「…残念ながら 馬をここに休ませた者は酒を飲んでしまったらしく 馬をどこに置いたのかをスッカリ忘れてしまったそうです」
『そ…そう。なら仕方ないわね。テト 昨日の馬を探しましょう』
「かしこまりました」