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【アル戦】あの日見た夕日

第4章 強くなるために。



「ひっ…姫様!?ああ…顔をお上げください!奴隷のことは 姫様に免じて殺しません。ですからどうか…!!」


『ほ…本当?その者のことを 許して下さるの?』


「はい。姫様に頭を下げられて断れるわけがありませんからね」


『ありがとう…!感謝するわ』



ホッと安堵し 視線を下に向ける。すると 目の前に広がる赤い色に 私は息を呑んだ。まるで 王宮で見たような赤い絨毯を思わせるほど 地面は赤に染まっていた。

一刻も早く治療を施さないと 彼が死んでしまう。小刀とはいえ 生身の体に刃物が刺さったんだもの。軽傷なんかじゃすまないわ!



『テト この者を王宮へ!』


「何をなさるのですか?」


『治療をしてもらうわ』


「…してくれるでしょうか。ここパルスは 奴隷を家畜のように扱っております。きっと 奴隷に治療などしてくれません」


『だとしても 助かる命を放っておけない。お願いテト 責任は私が持つわ』



不安げに見つめてくるテトをまっすぐと見つめ返す。するとテトは小さくため息をつき 何も言わずに男の人の腕を取り肩に回すと歩き出した。

ありがとうテト。そして ごめんなさい。いつもテトには迷惑ばかりかけてしまうわ。あなたはいつも 自分の考えを殺してまで 私の考えを優先してくれる。本当にごめんなさい テト…。



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