第4章 強くなるために。
「姫様 今日はいかが致しますか?」
『そうね…』
このまま部屋にいるのもなんだものね。それに 昨日強くなりたいと決意したばかりなんだから なにか行動をしなくちゃいけないわ。
私はテトから視線を外し 再び窓の外を眺めた。外ではたくさんの人々が 朝というのにも関わらず動き回っているのが分かった。その中で 私の目に止まった光景。それは 大きな荷物の乗った荷車を運ぶたくましい馬たち。
『…テト 今日は乗馬をしましょう!』
「乗馬ですか?」
『えぇ 1人で乗れるようになりたいの。昨日パルシマ王国から共に来た馬が居たでしょう?あの馬に乗って外を走りたいわ!』
「……」
『ダメ…かしら…』
テトは難しい顔をして 頭を悩ませている。
言ってはなんだけど たかが乗馬にそんなに思い悩むことなのかしら。それともまた 私のことを心配しているのかもしれないわね。
私は少し肩を落とした。自然と垂れる眉。気分が高ぶっていたせいか 出来ないと感じると急に気持ちが落ち着き冷静になってしまう。
「…いえ 分かりました。準備が出来次第 乗馬の練習をしましょう。朝食を持ってきます。少々お待ちを」
『ありがとう テト!』