第3章 自由とは愚かなり。
ダリューンさんはアルスラーン様の隣に立った。すると 元々か細いアルスラーン様がより小さくか弱く見えてしまう。
きっとダリューンさんが大き過ぎるせいね…。アルスラーン様は少なくとも私よりは大きいもの。と言うことは 私とダリューンさんが横になったらどれだけの差が出るのかしら?少し興味があるわ。
……そうじゃなくて 早く答えないといけないわね。黙り込んだせいで 2人が心配そうな顔をしているわ。
『…アルスラーン様 今からお暇ですか?』
「…?ああ」
『良かった。もし宜しければ 私と少しお話をしませんか?お友達になるかどうかは 話をしたあとに決めます』
「話を?なぜだ?」
『お互いのことを知るためです。私はアルスラーン様のことを何も知りませんから』
不思議がるアルスラーン様に笑みを向けると アルスラーン様は少し考え込んだあと「分かった」と言い微笑み返してくれた。
『ダリューンさんも一緒にどうですか?』
「せっかくのお誘いは嬉しいのですが 私は少し用があるので…」
『そうですか…。でしたら またの機会に』
アルスラーン様と2人きりと言うのは緊張するし 本当はテトかダリューンさんに居てもらいたかったのだけど テトは休んでいるだろうし ダリューンさんは用があるのなら 残念だけど仕方ないわね。