第3章 自由とは愚かなり。
何かと思い 私はその女の子と話しやすいように視線を合わせた。
『何かしら?』
「これね!おひめさまのためにつくったのー!」
『そうなの?嬉しいわ』
「えへへ!これね あげる!」
『あら 良いの?ありがとう』
白やピンクに黄色に赤。色とりどりのお花の冠は可愛くて 思わず口に笑みが浮かぶ。小さな手から冠を受け取ろうてしたとき 私の後ろからスイッ手が伸びてきて 私の代わりに冠を取った。
『テト…!?』
「……」
『どう…したの?』
「申し訳ございません 姫様。ですがこの冠 姫様に触れさせるわけにはいきません」
テトは今まで見たことのないような顔をしていた。怖いような それでいて悲しいような。
どうしてそんな顔をするの?私 テトのそんな顔を見たくないわ…。
「行きましょう姫様」
『え?あ…その 冠をありがとう。ありがたく受け取っておくわね』
戸惑う女の子に申し訳なく思いつつも別れを告げ 先を行くテトに急いで追いつく。
『テト!どうして私に冠を触れさせてはならないの?どうして…そんな顔をしているの?』
「…言えません」
『…っテト!』
「ごめんなさい 姫様」
…これ以上問いつめたとして テトは私に何も教えてくれないわね。