第3章 自由とは愚かなり。
『初めまして ヴァフリーズさん。わざわざお迎えをしてくれてありがとうございます。今日から色々とご迷惑をおかけすると思いますが 宜しくお願いしますね』
ヴァフリーズさんに笑みを向け頭を下げる。すると ヴァフリーズさんは驚いたような表情を私に見せた。
どうかしたのかしら?もしかして 私の国とパルス王国では挨拶の仕方が違うの?だとしたらとんだ勉強不足だわ…。
急に申し訳なくなった私はヴァフリーズさんに頭を下げた。
『ご…ごめんなさい』
「な なぜ謝るのですか?頭をお上げになってください マリネ様!」
『は はい…。その…私 今までずっと室内で暮らしていたので もしかするとヴァフリーズさんに無礼なことをしてしまったかもしれないと思って…』
「そんなことはありませんぞ!とても礼儀のいい姫様で 感激してしまいました」
ヴァフリーズさんは柔らかい笑みを浮かべると 今度はテトに向かって小さく頭を下げた。
「マリネ様に仕えている テト様で間違いありませんね?」
「はい。そうです」
「お2人を王宮へ案内しましょう。馬はここに置いておいて下され」
馬とはここでお別れなのね。長旅を共にしたから少し寂しいわ。