第3章 自由とは愚かなり。
◆◇◆
馬に乗って数時間。お昼はとっくに過ぎて 今は夕方くらいかしら?
テトは私の言った通り馬をゆっくりと歩かせつつ 今日中にパルス王国に着くようにしてたみたい。さすがテトね。
「姫様 見えましたよ」
『…うわぁ!あれがパルス王国?』
「そうですよ 姫様」
パルシマ王国に劣らない立派な佇まい。とても高い城壁は まるでどんな者も立ち入ることを許されないような雰囲気を出している。
今日からこの国で私は暮らすのね…。私は高鳴る胸を落ち着かせるため深呼吸をした。
テトが馬を門の前まで歩かせると それを待っていたかのように門が上がった。門が半分くらいの高さまで上がると テトは再び馬を歩かせ中に入った。
「お待ちしておりました。パルシマ王国の姫 マリネ様。私は迎えを頼まれたヴァフリーズと申します」
私とテトの前で深く頭を下げるご老人。その礼儀正しい姿に思わず見入っていると テトに静かに声を呼ばれ我に帰った。
さすがに馬に乗りながら挨拶だなんてヴァフリーズさんに失礼よね。
そう思った私は馬から降りた。馴れない降り方で服が少し捲れてしまったけれど それもこれから練習して
いけばいいことよね。