第8章 華の決意
「へ…?」
サボは目を見開いてラーラを見つめた。
何か聞き違いしてるんじゃないかと思って。
サボはゆっくりとラーラから離れて固まった。
情誼に厚いサボであっても聞き返してしまう。
「じょ、冗談だ…よな?はは…」
逆に恬淡なラーラは琥珀の瞳に傷ついた色を示した。
冗談だと思うくらいはしたなかった?
わざとらしかった?
そう思うあまりにサボを睥睨してしまった。
「嘘だと…思うの……?」
「い、いや…信じられなくて……」
琥珀の瞳に睨まれてサボは反駁した。
「今までお前…愛さないとか言ってきて…」
「もう愛想つきた?」
「そうじゃねェ!そうじゃなくて、お前が…」
そこで切られても看過できない。
できるわけがない。
「何?」
「俺が言ったら断って、自分からならってなんか矛盾・・・?」
「負けず嫌いなの。だから私は自分から言うのよ。」
「俺も負けず嫌いだ。お前に言われたこと納得いかない。」
だがサボは笑った。
好きだと言い合っているのに睨みあってはダメだ。
「じゃあどうすれば納得…するの?」
「どう?いや…そうやって行動に移してほしいわけじゃねェから。」
「納得はしてくれるの?」
「俺が納得することないな。一生それでいい。」
「何それ…」
ラーラも笑みが零れてきた。
そしてサボに一歩近づいた。
「私が急にいなくなること、ないから。」
「おう!」
いなくなるときは記憶がないから。
悪いけれど忘れてもらってから消えるから安心して。