第8章 華の決意
もっと早く気づけていたら・・・エースを失くすことなかったのかもしれない。
だがそれは後の祭りというもの。
どれだけ言っても戻らないのだ。
「俺を見ろ。」
「何で…」
「お前が好きだ。」
「ッ…!!」
私は・・・?
私の本心はどうなんだろう。
サボをどう見てるんだろう。
_お前に愛する権利あんのかよ_
頭脳に責める聞きなれた声。
琥珀の涙を見ると黒い光を放ち始めている。
思考を乗っ取られる!?
「琥珀の涙が!!」
「うわっ、ちょっと貸せ。」
サボはラーラの返事を待たずに琥珀の涙を鞘から抜き取った。
_邪魔するな_
サボに聞こえるはずもない。
「出てけ!私の体から…ッく…」
「大丈夫だ。約束したもんな。俺が守る。」
サボは琥珀の涙を太陽にかざした。
すると徐々に黒い光は消えて行った。
「こいつは日光に弱いのかもな。」
「サボッ!」
「ん?」
「早く鞘に戻して…。」
琥珀の涙を持ち続けたら危険。
サボも意志を乗っ取られる可能性がある。
安心できない。
「あぁ。」
「気をつけて…」
「大丈夫さ!お前も守るけど自分のことは自分で守るし。」
「私…?」
「お前は俺にとって大切な奴だ。エースと同じでな。」
大切なもの失ってもう後悔したくない。
あんなに辛いとは思わなかった。
「俺だけじゃねェか…。」
「そっか…」
「どうかしたのか?」
そうか。
もう遅いんだ。
サボが私を守るって思ってくれるのと同じ。
私もサボを守りたい。
自分を許すわけじゃない。
でも、分かったよ。
私は・・・
「……好きよ…。」