第7章 華の炎
3年前。
とある島にて・・・。
「ミツケタよ。ラーラちゃん。」
「っ…誰よ……」
「酷いなァ。まァ仕方ないか。僕の名前はエリィアーノ・アーシャ。海軍の中将さ。」
「何の用?」
ラーラは琥珀の涙を構えた。
アーシャはその剣を見てニタリと笑った。
そして自身の持つ翡翠の血を見せ付けた。
「この剣の名は翡翠の血。キミのその剣とは双剣なんだよ。」
「何故ッ!!何故お前が……ッ!!」
「僕のこと知りたいかい?」
「結構よ!!」
ずっと探していたものが、目の前の男の手の中にある。
奪ってやる。
いや、取り返すのだ。
ラーラは斬りかかった。
「返せっ!!」
「キミから仕掛けてくるとはねェ。キミは冷酷だと思っていたのだが…かなり熱い女のようだなァ。」
「中将殿!!」
「心配はないよ。」
アーシャは翡翠の血を頭上にもってきてラーラの攻撃を耐えた。
そして力任せにグッと押し投げた。
ラーラは真後ろに吹っ飛んだが着地は綺麗にした。
「感情に任せて戦うとは…キミにも可愛げがあるんだねェ。」
「うるさい!!黙れェ!!!」
もう一度飛び掛った。
だが、アーシャに悉くかわされる。
何度も繰り返しているうちに体力は磨り減って行く。
「ハァハァハァ…正々堂々と戦え!」
「海軍だよ?そんなこと一々やってたら何も解決できないんだよ。」
「うっ…」
「どうしたの?苦しそうだけど。」
アーシャは恐ろしいほど真っ黒な瞳をしている。
その口元も驚くほど吊り上って笑っている。
「キミは僕と一緒に死ぬんだよ…。」
「フザけないでっ!!!私は絶対にそんなこと…!!」
このときに誓った。
絶対にこいつにだけは殺されないと。