第6章 華の声
「本当にごめん…」
「え…あ……」
サボは逃げるように部屋を後にした。
何してんだ俺は・・・。
うわぁ・・・絶対嫌われた・・・・。
最悪だ俺。
一方ラーラは触れた唇を触っていた。
いきなりのことで呆然とするしかなくて・・・。
信じられないのは自分の心だった。
何故嫌じゃなかったんだろう。
「もう…分からない。」
ラーラは首を振ると横になった。
思考とかそういうものじゃない。
何か疲れた。
考えすぎか・・・。
「コアラ…俺最低だよな……。」
「えっ、何言ってるのサボ君?」
「いや…」
「ラーラちゃんに何かしたの?」
「キスした…。」
コアラは苦笑いするしかなかった。
どうせサボのことだ。
相手の意思なくしたんだろう。
それを悔いているのだ。
にしても落ち込みすぎだ。
「サボ君から何か生気がなくなってる気がする…。」
「俺は何てことを…」
「ラーラちゃん嫌がってた?」
「いや、ただ唖然としてたよ。」
サボは肩を落とした。
自分でも気づかないうちにしていた。
感情の制御はできるはずだった。
怒りなんかは特に。
だがこういう状況になると抑えられないものなんだと思った。
衝動に負けた。
「もうダメだ俺…」
「最初から選択として違ってるじゃん。」
「ラーラはいいんだよ!俺がダメなだけだ。」
本気で最低だ・・・。
絶対に恨まれてるし・・・。
大きな溜息をつく。
そして暗いオーラを放ちながら部屋に戻った。